「シング」、「ペット」などの3Dアニメで次々と大ヒットを飛ばすイルミネーション・エンターテインメントによる人気シリーズの続編。相変わらずミニオンたちは可愛いくて笑えるものの、ストーリーはいまひとつでした。52点(100点満点)
怪盗グルーのミニオン大脱走のあらすじ
いろいろなガジェットを使い犯罪を繰り返すバルタザール・ブラットを逃したことで、反悪党同盟を追い出されてしまうグルー。意識消沈する中、生き別れになっていた双子の兄弟であるドルーの存在が判明する。対面を果たしたグルーは、豊かな金髪に輝く笑顔で父親からばく大な遺産を受け継いだ、自分とは違い過ぎるドルーに驚く。一方、グルーが悪の道に戻らないことがわかり彼と決別したミニオンたちは、新たなボスを探す中で思わぬ事態に……。
シネマトゥデイより
怪盗グルーのミニオン大脱走の感想と評価
ピエール・コフィン監督による怪盗グルーシリーズ最新作。「ミニオンズ」の面白さには敵わないものの、可愛らしいキャラクターたちは健在で、そこそこ楽しめる内容に仕上がっています。
笑えるシーンは多々あるし、ハチャメチャぶりもしっかり引き継いでいます。ミニオンズファンの子供たちなら絶対に喜ぶでしょう。
一方で大人が見たらストーリーには物足りなさを感じるかもしれません。前作からパワーアップしているかといわれると微妙で、グルーが兄弟のドルーと力を合わせて宿敵バルタザール・ブラットを倒すだけのストーリー性の薄い物語になっていました。
グルー対バルタザール・ブラットの戦いがストーリーの中心を担っている割には二人のバトルが一番の見せ場になっておらず、結局ミニオンたちと三姉妹の可愛らしさが売りなのは本作でも変わりません。グルーとバルタザール・ブラットが良かったのはダンスファイトぐらいでしょうか。あの馬鹿らしさにはちょっと笑っちゃいましたが。
ミニオンたちの強烈なキャラクターはそれだけで十分にインパクトがあります。ただ、キャラクターありきでストーリーや脚本をおろそかにしていたら、今後どれだけの続編やスピンオフ作品が成功できるのかは難しいところですね。
本作ではこれまでの作品と比べると、ミニオンたちの出番がやや少ない印象を受けます。劇中、彼らは悪事から足を洗い丸くなったグルーに失望し、家を出て行ってしまいます。
途中ピザを配達している男を追いかけるようにリアリティー番組のスタジオに迷い込み、警察に捕まって刑務所送りになります。
刑務所でミニオンたちはグルーの優しさを思い出し、再びグルーのために立ち上がる、というのが彼らの登場シーンのあらすじで、あくまでも本題から外れたところから彼らの行方を追っていくスタンスを保っています。「ミニオン大脱走」というタイトルもそれほど内容とマッチしていなかったですね。脱走がテーマじゃないしね。
ミニオンたちが善人になったグルーを嫌い、ワルをこよなく愛する、という設定は面白いです。可愛いけど悪いというギャップがあれほど効果的に使われることはなかなかないでしょう。
ただ、ファンは根は優しい怪盗グルーよりもむしろ悪いけど憎めないミニオンたちの活躍が見たいんじゃないのかなぁ、と思うんですがどうでしょうか? 双子のおっさんが敵をやっつける姿に誰か興味あります?
そう考えると、続編を作るべきなのは怪盗グルーシリーズではなく、むしろ「ミニオンズ」シリーズのほうなんですよ。
ラストの締めくくり方からして、まだまだ怪盗グルーシリーズは続いていきそうな気配がありますが、あまり期待はできません。誰がどう見てもミニオンがとっくの昔に主役の座を奪ってるでしょ。
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