ニコール・キッドマンとミア・ワシコウスカが中途半端な色気を出しているハリウッドスリラー。登場人物たちが何がしたいのかよく分からない話です。33点(100点満点)
イノセント・ガーデンのあらすじ
外の世界を遮断するように建てられた、大きな屋敷に暮らしている少女インディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)。自身の誕生日に、愛していた父親が交通事故で帰らぬ人となってしまう。彼女は、母(ニコール・キッドマン)と葬儀に参列すると、そこへ行方がわからなくなっていた叔父のチャーリー(マシュー・グード)が突如として姿を現わす。彼と屋敷で暮らすことになるが、それを発端にしてインディアの周囲で不可解な現象が頻発するようになる。
シネマトゥデイより
読者のGNさんのリクエストです。ありがとうございます。
イノセント・ガーデンの感想
「オールド・ボーイ」、「復讐者に憐れみを」、「親切なクムジャさん」、「お嬢さん」などでお馴染みのパク・チャヌク監督によるハリウッドスリラーです。ニコール・キッドマンが綺麗という以外ほとんど見所がなく、怖くもなければ、色気もない中途半端な作品です。
「アリス・イン・ワンダーランド」の主演でもあるミア・ワシコウスカがヌード挑戦したとかを売りにしているようですが、蓋を開けてみればシャワーを遠めに横から撮っただけで、あれをヌードとか言われてもって感じです。
物語は、父親を事故で失くした少女インディアの家に長年姿を消していたイケメンの叔父さんがひょっこり現れ、何をするでもなく居候生活を始める、というもので登場人物たちの中に日常の責任や仕事を持っている者が誰一人おらず、豪邸でのんびり暮らしをしているだけの設定が非現実感と違和感を与えます。
イケメンの叔父さんは、美人のお母さんともすぐに仲良しになり、ときどきチチクリ合ったりしますが、色気を匂わす演出をしている割にはベッドシーンは皆無で、殺人を匂わす割には殺しの下りもベルトで首を絞めるなどといったソフトなシーンに終始します。
そうした一連のソフトなシーンがこれまで散々エグイ映画を撮ってきたパク・チャヌク監督らしくなかったですね。なに上品な映画を撮っちゃってるのって思いました。ハリウッドで表現の自由を奪われたのかもしれませんね。
ストーリーも馬鹿馬鹿しくて、精神病であれだけ長く病院に入ってたような人間があんなに世俗的なセンスを持ち合わせたうえで格好いい振る舞いができるわけがないんですよ。
父親もあれだけ石で頭を殴られているんだから、交通事故じゃないことぐらい専門家が死体を見たらすぐに分かることだし、母親も旦那の弟だからって初めて会う男をいきなり自分の家に住ませたりしないでしょ。
イケメン叔父さんは美少女の姪っ子に目をつけていて、二人が禁断の恋に落ちるかどうかといったことが物語りの鍵になっています。しかしそれならそれであの二人がなにかしなければ話にならないんですよ。それなのに最大の絡みが二人でピアノを弾くっていうね。まあ上品だこと。
全体的に視聴者を期待させて弄んでは何にも起こらずに終わっていく、自分からデートに誘っておいてドタキャンしてくる人みたいな映画でした。あの人、結局何がしたいんだろうっていう問いが浮かんでは消えていくはずです。
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