怖そうで、面白そうで、話題性も十分なのに、大いにがっかりさせられる韓国映画。サスペンスにもホラーにもなりきれていない、中途半端なストーリーがダメです。30点(100点満点)
哭声/コクソンのあらすじ
警察官ジョング(クァク・ドウォン)が妻と娘と暮らす平和な村に正体不明のよそ者(國村隼)が住み着いて以来、住人たちは彼のうわさをささやいていた。やがて、村で突然村人が自分の家族を手にかける事件が発生する。犯人には、濁った目と湿疹でただれた肌という共通点があり……。
シネマトゥデイより
哭声/コクソンの感想
「チェイサー」、「哀しき獣」などのナ・ホンジン監督によるサスペンススリラーの仮面を被った、くだらないゾンビホラー。前半はそこそこ面白いのに、後半の失速ぶりが見ていられないレベルで、これを見るならもっと単純な「新感染ファイナル・エクスプレス」を見たほうがまだいいです。
予告動画やニュース記事を読んで、犯人探しのサスペンスだと思って鑑賞したら、ずっこけるでしょう。なにを隠そう、くだらないお化けゾンビ映画なのです。
殺人事件の犯人もなにも、最後は全部お化けの仕業で片付けてしまう程度のお話なので、真面目に見ないほうが健康のためにいいです。じゃないとイライラしますよ。
俳優陣はなかなかの演技派揃いで、主演のクァク・ドウォン、子役の少女、日本から参加している國村隼なんかは良かったです。韓国にはクァク・ドウォンしかり、キム・ユンソクしかり、ソン・ガンホしかり、味のあるおっさん俳優がたくさんいますよね。
物語の中で日本人の男が怪しい存在として扱われているのは、もしかしたら韓国人の持つ日本のおっさんのイメージのひとつなのかもしれませんね。なんか分からないけど、あいつ悪いことをしてるんじゃないかみたいな。そのイメージに國村隼がはまったんでしょうね。
韓国映画の警察って通常勇敢で、男臭く、暴力的というパターンが多いですが、この映画では気弱でびびりな警察官が登場するのが斬新です。
ただ、褒められるのはそれぐらいです。一番の問題点を抱えているのはストーリーで、なにをどう間違えたのか、後半からありえない方向に進んでいきます。
連続殺人事件の原因が分からないからといって、韓国映画でお馴染みの霊媒師を呼んだあたりから、話の収拾が付かなくなり、一気に面白さを失います。
そこからはもう手がかりや証拠といったことは一切関係なくなり、ただの精神世界のお話に転落し、引っ張るだけ話を引っ張ることに集中していました。
それにしてもなんであの霊媒師は若いのにあんなに偉そうなんですかね。韓国社会では霊媒師のステータスが高いのか、警官に上から物を言っていたのが不思議でした。
上映時間が2時間を達するところで一度話にオチが付きます。にもかかわらず、なぜかそこからさらに30分も話が続くという嫌がらせがひどく、ナ・ホンジン監督の尋常じゃないしつこさを感じるはずです。
笑えるのが、題材がお化けなのか、ゾンビなのか、悪魔なのか、ポルターガイストなのか曖昧で、その定義すらも物語の間にコロコロ変わっていくところです。お前らが分かってないんだったら視聴者はもっと分からねえよ、と叫びたくなるでしょう。色んな意味で詰めの甘い映画でしたね。
コメント
全く映画を理解できていない。
最初から見直せ。
冒頭の聖書の言葉は、なぜ出てきた?
こんなクソ記事を撒き散らすんじゃないよ。
出ましたー、聖書馬鹿!
「題材がお化けなのか、ゾンビなのか、悪魔なのか、ポルターガイストなのか曖昧で、その定義すらも物語の間にコロコロ変わっていくところ」は、
過去作含め、ナ・ホンジン監督の一貫した手法ですよ?
それに、ナ・ホンジン監督自身の疑問で、「罪のない人がなぜ不意な事故で死ぬのか?神はいないのではないか?
」最後に、白い服の女性が泣いて終わるシーンは、神はいるかもしれないけど、人間にとって良い神はいないのでは、、というメッセージが込められた誠実な映画でしたよ?無神論者の意見ですが。
追伸、祈祷師やゾンビの下りは爆笑しました!それもまた監督の意図した演出で、あえて腑に落ちない恐怖を加えたものです。
いつも拝見し、作品選びの参考にさせて頂いております。
なにを隠そう、くだらないお化けゾンビ映画
最後は全部お化けの仕業で片付けてしまう程度のお話
一番の問題点を抱えているのはストーリーで、なにをどう間違えたのか、後半からありえない方向に進んでいきます。
映画を見て、何を語るにしてもいい。あなたの閲覧者は多い。
でも公になる。先入観を植え付けられてしまう。
惑わされる。この映画の主人公のように。
あなたのレビューを読んで、その映画を観た気になっている。
それではいけないと思い起こさせてくれてありがとうございます。劇場に行って気づきました。あくまで一意見です。
見分けるのが本当に難しいものが自分の内部に入ってきた時、
敵なのか味方なのか分からなくて混乱する。
そんなテーマを映画の冒頭(聖書の言葉も含め)からラスト(神父の弟子と悪霊とされている日本人が対面する場面)でも提示していたと思います。
分かりやすさを求める人(餌を投げ、餌に食いついた人)にとっては、詰めの甘い映画であることは確かであります。
詰めが甘いというか全編にわたって露骨なミスリードが多すぎて映画の拝見に監督の意思がチラチラしすぎなんですよねこの映画。エヴァみたいなもんですよ。監督のやったった感が気持ち悪くて物語としてはB級。
監督の自己満足ですよね。
ですよね。画作りと配役、演技力がとても良いのでそういう意味でも騙す映画ってだけかと思います。警察官なのに警察的な操作を一切行わずシナリオ進行の為の行動しかとらない主人公が全てを物語ってます。昔はやったひぐらしのなく頃にと同じ間違いしてますね。とにかく物語性に一巻がなく、騙すことに注力しすぎ。見た人は自分なりに考えて増幅しちゃうからすごい映画だ!って騙されてるっていう。
まぁでも面白かったですけどねw
「哀しき獣」がわりと良かったので、チェイサーに続いて本作も期待して観たんですが、消化不良もいいとこでした。
前半はコメディ、後半はB級ホラー、ラストは食い逃げされた店主の気分で幕。
おい、金返せ。
たまらず僕も文句が言いたくなりました。
完全にコメディーでしたね。これには文句言っていいと思います。
ありがとうございます。
よし今日の就寝前一本はこれじゃと気負って観たのに、結局もう一本「新感染・・」を観る羽目に(汗
観る前に映画男さんのレビューを読まなかったのが失敗の元でした。しっかり30点となってるじゃないか・・(また汗
新感染はブログ通りちょっとクサイのですが一応収まりつきましたzzz
物語の構成面で「起承転結」の「転」をひたすら繰り返し、「起承転・転・転・転…」とした結果オチ(結)がつけられなくなってしまったという印象。
もう一点気になったのは、物語内で日本人キャラをああいう風に描くのはアリなんですかね?
普通に人種差別的な印象を受けますが。
オチつけられてないですよね。
ちょっと文句が言いたくなったので、随分前の映画評に失礼します。
どうにもうまくいっていない映画でしたね。
この映画のメッセージは、「神のふりをした悪魔と本物の神を見分けることはできないよね」ってことなんですが……謎の日本人(=悪魔)が自分の飼い犬に他人が襲われていても助けないシーンのせいで、少なくとも村人にとっての善なる神でないことは確定してしまうんですよね。悪魔からは救うのに自分の飼い犬からは救わないとか意味不明だし。返り討ちにあってる犬も助けないですし。
ミステリーとしても失敗していて、謎の白い女(=村の守護者)が謎の日本人と祈祷師を3回ほど追い詰めていながら、ちゃんとトドメを刺さないんですよ。探偵モノで例えれば、ホームズが何度もわざと見逃した奴が真犯人で、ホームズはそのことに最初から気づいてました〜、っていうのと同じです。さすがに納得できないでしょ、っていう。
胡散臭い祈祷シーンは好きでした。
言いたいことは言ったので失礼します。
また言いたいこと言いに来てください