実際にあった事件をモチーフにした韓国では大ヒットしたらしい、つまらない映画。現実味がなく、やりすぎ感がでまくっている刑事ドラマです。30点(100点満点)
あいつの声のあらすじ
人気キャスター(ソル・ギョング)の一人息子が突然誘拐され、犯人(カン・ドンウォン)は身代金1億ウォンを要求。警察の捜査網をくぐり抜け、正体をつかませない誘拐犯だけに、正体を突き止める唯一の手掛かりは声だけだった。そんな誘拐犯とのやりとりが長期化するにつれて、両親はだんだんと追い詰められていき……。
シネマトゥデイより
あいつの声の感想
「カエル少年失踪殺人事件」、「殺人の追憶」などと並ぶ韓国三大未解決事件を基にした映画。誘拐の被害者家族と犯人の電話によるやり取りが繰り返されるだけで、途中から犯人が誰かなんてどうでもよくなってくる話です。
事実を基にするのはいいけれど、あまりにもフィクション度が強すぎて、三作品の中では最もリアリティーに欠けます。息子を誘拐された父親が国民的ニュースキャスターで、息子の事件を自分のニュース番組で取り上げるなんていうのがあまりにもできすぎていて、眉唾ものの設定ばかりでした。
そもそも未解決事件と宣伝してしまっているだけに犯人が誰なのか結局分からないことが最初からバレてしまってるので、予想外のオチにすることは不可能ですよね。
それならそうとどれだけ視聴者をストーリーに引き込めるかが鍵となってきますが、あまりにも犯人と被害者家族の追いかけっこにフォーカスしてしまったばかりに、ハリウッドの二流刑事ドラマみたいな出来の悪さになっていました。
なんでもいいけど、韓国警察の盗聴技術の低さがひどすぎやしませんか。80回以上犯人が電話かけてきてるのに居場所を特定できないってただのアホじゃないですか。糸電話使ってたのかな。
犯人の目的も最後までよく分からなかったです。金目当てなら、金を受け取った時点でさよならすればいいのに、しつこく電話をかけてくる下りは無理がありましたねえ。愉快犯なのは分かるけど、愉快すぎるだろって話です。
事件では犯人の声だけが明らかになっているため「声」がひとつの大きな要素になっていて、劇中では声紋鑑定のスペシャリストが登場し、事件解決を目指します。にもかかわらず声紋は一致しているのにアリバイがあって容疑が晴れてしまう容疑者が出てきたり、そもそもお前は専門家なのかよって言いたくなるほど声紋鑑定の不正確さが笑えました。
盗聴技術しかり、声紋鑑定しかり、テクノロジーのキャパ不足にしか思えないようなエピソードの連続で、もしかすると盗聴器も鑑定機もサムスンが製造したのかもしれませんね。
それにしても警察が馬鹿ばっかりじゃないですか。僕があの父親と同じニュースキャスターの立場なら番組中にまず警察を非難しますよ。拳銃持った刑事が犯人と同じ車内にいたのに捕まえるどころか、丸裸にされて捨てられるってどんだけしょぼいんだよ。
コメント