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ウィーナー・懲りない男の選挙ウォーズは必見!ネタバレと感想

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この記事は 約5 分で読めます。

ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ

実力とカリスマ性のある政治家がスキャンダルをきっかけに失脚していく姿を追ったドキュメンタリー。性スキャンダルに対するマスコミと市民の反応が現代社会を象徴していて、NYの市長選の裏側が覗ける非常に見ごたえのある作品。75点(100点満点)

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ウィーナー・懲りない男の選挙ウォーズのあらすじ

若くてハンサムなアメリカ下院議員アンソニー・ウィーナー氏と、長年ヒラリー・クリントン氏の側近として働いてきた才媛の妻フーマ・アベディン氏は誰もがうらやむカップルだった。だがある日、ウィーナー氏が女性と性的画像やメールを交換する“セクスティング”を行っていることが判明する。その後彼は議員を辞職するものの、2013年にニューヨーク市長選に挑み……。

シネマトゥデイより

ウィーナー・懲りない男の選挙ウォーズの感想と評価

選挙運動の間に成功と転落の両方を経験する、カリスマがあり、でもちょっと間抜けで憎めない政治家アンソニー・ウィーナーをつづった人間味のある物語です。監督はジョシュ・クリーグマンとエリース・スタインバーク。

性スキャンダルに対するアメリカ人の反応が興味深く、日本の芸能界にも通じるようなメディアの対応と人々の手のひらの返し方が恐ろしいです。

この映画がなにより新鮮なのは、スキャンダルの当事者の目線で話が進んでいくことです。どのメディアも大抵スキャンダルが起こると、当事者に敵対するようにしかものを言わないため、一方的にジャッジするだけで報道は偽善的になりがちで、いつもすごく抵抗を覚えます。

その点、この映画はできるだけアンソニー・ウィーナーの目線に立とうとしているような印象を受けました。それはそれで中立の立場とはいえないでしょう。しかし少なくとも従来のメディアとは違う目線に立っていることで、見えてくるものがあるはずです。

アンソニー・ウィーナーは議会で時に喧嘩腰に熱狂的な演説をすることで知られる政治家で、スピーチに長け、人の心を掴む魅力の持ち主です。

そんな彼は2011年、ツイッターを通じて複数の女性に自分の性的な写真を送り、それが公になってしまいます。もちろんメディアは大騒ぎし、やがてアンソニー・ウィーナーは辞職せざるを得ない状況に陥ります。

それから数年後、アンソニー・ウィーナーはNYの市長選でカムバックを果たします。彼の横にはスキャンダル中も彼を支え続けた妻フマの姿も。文字通り二人は二人三脚でNY市長を目指し、過去を清算し心を入れ替えたことを市民にアピールするのでした。

選挙中、アンソニー・ウィーナーは瞬く間に市民の心を掴み、支持率は急上昇し、ついには1位の座を奪います。しかしそんな彼に再び同類のスキャンダルが報じられ、せっかく築き上げた信頼を一気に失っていく、という内容になっています。

映画のタイトルがもの語っているようにアンソニー・ウィーナーが懲りない男だということについては異論はないでしょう。彼はスキャンダルで大騒ぎされた後も、アダルトサイトにアクセスし、チャットや電話で複数の女性たちと卑猥なトークを続けたほど間抜けな男です。

もちろん、そんな弱点をメディアがみすみす見逃すはずはなく、二度目のスキャンダルが浮上してからというもの選挙中にもかかわらず、アンソニー・ウィーナーに対するメディアの質問は全て性に関するものになり、誰も彼の政策に目を向けなくなってしまうのがなんとも悲しかったです。

ベッキーや乙武洋匡のときもそうでしたが、罪を犯したのならまだしも、プライベートなことで人をジャッジし、必要以上に責任を追及していく社会っていうのもどうなんですかね。

特に男女関係っていとも簡単に他人を攻撃できるネタですよね。社会的な立場が強ければ強いほどその攻撃は威力を増し、「下手だった」とか「小さかった」とか言えば、それだけでどう転がってもイメージダウンになりますからね。その安易なやり方がなんとも卑怯ですね。

アンソニー・ウィーナーに関しては、もしかしたらライバルたちによる陰謀やらハニートラップがあったのかもしれません。いずれにしても、たかが異性問題で、誰かの仕事を奪ったり、市民の意見を操作するかのような報道の仕方には賛成できないです。

なんであんなに大げさにするんだろう。毎日のようにそればかり報道するメディアのほうがよっぽど下品だし、国民総むっつりみたいな社会の方が逆に不健康だけどなぁ。

その点、どんな逆境にも耐えて最後まで市長選を走り続けたアンソニー・ウィーナーは男として尊敬に値します。もちろん彼を支えた支援者たち、なにより奥さんのフマの忍耐もすごかったですよね。

ちなみにこの映画では語られていませんでしたが、アンソニー・ウィーナーとフマは2016年に離婚したそうです。その直後、アンソニー・ウィーナーは15歳の少女とまたメッセージを交換したことが発覚して問題になっていました。さすがに15歳はアウトですね。それにしても凝りねえ男だなぁ。

コメント

  1. ゆきこ より:

    この記事のおかけで、久しぶりに刺激溢れる映画鑑賞をできました。お礼を申し上げさせてください。

    追い詰められた時のある種の人間の反応、不機嫌な妻の顔、スキャンダルを利用してのし上がる無名の女…
    現実は時に映画より面白いですね。
    編集の仕方もテンポ良く、引き込まれました。ウィーナー寄りに描かれているせいか世間にボコボコにされて気の毒になりましたが、それでも子供をダシに使う場面は擁護できないダメっぷりが描かれてよかったです。

    本当によく本人がこの映画を許可しましたよねー

    • 映画男 より:

      ゆきこさん

      コメントありがとうございます。これすごいいい作品なんですけど、日本であまり注目されていないのが残念です。アカデミー賞ドキュメンタリーもこの作品が獲ればよかったのにと思います。