偽善者が作った、薄っぺらい人々向けの最低の感動ポルノ。安楽死と恋愛を混ぜた糞みたいな話が吐き気を及ぼすレベルです。6点（100点満点）
世界一キライなあなたにのあらすじ
イギリスの田舎町で、ルーことルイーザ・クラーク（エミリア・クラーク）は失職を機に、交通事故で車いすの状態になってしまった青年実業家ウィル・トレイナー（サム・クラフリン）の介護と話し相手をする期間限定の職に就く。活力を失っていた当初は冷たい態度を取るウィルだったが、彼女の明るさに徐々に心を開き、二人は惹（ひ）かれ合う。そんなある日、ルーはウィルの秘密を知ってしまい……。
シネマトゥディより
世界一キライなあなたにの感想
交通事故で車椅子生活を強いられるようになったイケメン青年実業家。仕事を探しているときにたまたま彼の世話役として雇われることになった明るくて可愛い女の子。二人は恋に落ちるものの青年のほうは安楽死を望んでいる、という感動の押し売り映画です。
以上の説明だけでも、もう作品の全貌を理解するには十分じゃないでしょうか。ストーリーはパクリ、演出はコテコテ、登場人物はきれいごとばかり口走る、鼻で笑うしかないレベルの代物です。色んなところからアイデアを借用していて、同名の恋愛小説を基にしているそうですが、そもそもその小説自体が怪しいです。
安楽死を望む車椅子の男って聞くだけでも、いくつもの映画が思い浮かび上がりますね。障害者の男と美女の恋物語って下りも、またかよって言いたくなりました。女は男を励ますために、彼が喜びそうなことをリストアップしていきますが、死を目前にして「死ぬまでにやっておきたいことリスト」を実行する、というのも散々出つくしたプロットですよね。
なんていうかストーリーの全てがダメでしたね。都合が良すぎるんですよ、設定が。障害を負った男がイケメンで金持ちのボンボンで、大きなお屋敷に一緒に住んでいる両親だって経験豊富のヘルパーをいくらでも雇えそうなものなのに、資格も経験も学歴もなく、たまたま近所に住んでいた可愛い女の子を選ぶって無理があります。仕事内容もただ青年の近くにいて励ましてくれればいいからってどんな仕事だよそれ。
ずっと家に閉じこもって生活していた青年が、自分の世話をしてくれる、明るくてお喋りな女の子に惚れるのはまだ分かります。でもあの女の子が、嫌味で、皮肉屋で、ネガティブな青年に惹かれていく理由が全くないんですよ。あれで金が目的だっていうならまだしもね。
そんでもって女の子は７年も付き合ってきた自分の彼氏をほったらかしにしたうえで、金持ちの男と贅沢三昧をはじめ、挙句の果てには男の金で、自家用ジェット機に乗って旅行に出かける始末です。それも全ては彼を励ますためなんだって。
庶民派の女の子が企画する遊びが、なぜか金がかかることばっかりで、旅行先やホテルのチョイスも全て豪華なところばかりだったのが笑えました。あれで自腹を切って彼に付いて行くならまだすごいですが、人の金で遊び回って純愛とか言われてもね。
どうかお願いだから、この映画を事実を基にした名作「ザ・セッションズ」や「博士と彼女のセオリー」なんかと比較しないでもらいたいです。足元にも及ばないから。
もしかしてこれって「24時間テレビ 愛は地球を救う」の続編じゃないですよね？ 製作は日テレですか？ こういう感動ポルノを見て泣いている視聴者なんかより、普通のポルノ見てオナニーしている視聴者のほうがよっぽど健全でまともですよ。
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