1977年に公開された「ピートとドラゴン」のリメイクで、少年と竜の友情を描いた物語。映像は普通で、キャスティングも平凡、なにより肝心のストーリーがあまいディズニー映画。33点(100点満点)
ピートと秘密の友達のあらすじ
旅行に向かっている道中で交通事故に遭ったピートは、一人だけ生き延び両親を失ってしまう。森でさ迷い獣たちに襲われそうになったピートを助けてくれたのは全身緑色の毛をしたドラゴンだった。
ピートは絵本に登場する犬にちなんで、ドラゴンのことをエリオットと呼び、家族のように森で一緒に過ごすようになる。6年後、ひょんなことからピートは森の中でパークレンジャーのグレイスに身柄を保護される。
ドラゴンのエリオットが離れ離れになったピートを探し、街にまで姿を現すようになると、ついに人間たちによって捕獲されてしまう。エリオットが連れ去られていく様子を目の当たりにはピートはなんとかしてエリオットを救出することを試みる。
ピートと秘密の友達の感想
「セインツ -約束の果て-」のデヴィッド・ロウリー監督による動物(竜)と人間の友情を描いた、よくあるストーリーで、「アーロと少年」と「ジャングルブック」を混ぜたような代物です。
最近のディズニーによる実写化やリメイクプロジェクトの一環を担う作品で、「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」同様わざわざ作り直す必要がなかった映画と言っていいでしょう。
たくさんの映画が原作やアニメから実写化される中、ディズニー映画の場合、劇場公開する前にすでにある程度勝負がついている感がありますね。例えば「シンデレラ」のようにもともと人気のある物語の場合は、間違いなくヒットしているし、逆にそうじゃない場合はどうやっても難しいような気がします。
「美女と野獣」の実写版もまず普通にヒットするでしょう。そういう意味では昔から現代にまで伝わる童話や小説の威力ってすごいですね。映画作りにおいてどれだけストーリーが大切かが分かります。
その点、本作はストーリーがしょぼいですね。ディズニー映画ですっかりお馴染みの「両親を失くした子供」の物語で、子供が狼少年のように森でドラゴンに育てられるという話です。
演出は少年とドラゴンの仲を引き裂く大人たちを悪者に描き、一方でドラゴンに味方する少年をはじめ少数派の人たちを優しくて純粋な存在として描いていきます。
あれだけ大きくて、火を噴いたら橋ひとつ簡単に破壊してしまうぐらいの生き物が散々大暴れする割には誰も死なず、誰も傷つかないという平和ぼけの内容も物足りなさを感じさせます。
なんでもいいけど、どうしていまさらドラゴンなんだよって話なんですよ。ドラゴンに対する人間の異常な憧れが僕にはまず理解できないんです。
何回ドラゴンネタを使い回したら気が済むんだろう。あんな生き物の背中に乗りたいって思わないし、口から火を吐く生き物と友情を結びたがる人間の気持ちなんて分かりたくもありません。
架空の動物のくせに誰が描くドラゴンも画一的で、オリジナリティーがなく、火を吐くとか、空を飛ぶとか、スペックまでもが世界中で統一されていて面白くないですね。あれで空も飛べなくて、ほぼ一日中じっとしてるとかだったら、ちょっと見てみたい気もしますが。
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