コロンビアの麻薬王をテーマにした大ヒットドラマシリーズ最新シリーズ。パブロ・エスコバルの転落を描いた臨場感溢れるドラマで、最後まで目が離せません。70点(100点満点)
ナルコス・シーズン2のあらすじ
刑務所から難なく脱獄したパブロ・エスコバルはコロンビア政府に取引を持ちかけるが、政府はそれに応じず威信をかけて捜査に力を入れる。
一方、パブロ・エスコバルが不在だったメデジンではライバル組織が暗躍し、パブロ・エスコバルにお金を納めることなく勝手な活動をしていた。それを知ったパブロ・エスコバルは怒り狂い、またしても残虐な見せしめを行った。
あまりにも冷酷非道なパブロ・エスコバルに対し、ついに最大のライバル組織であるカリ・カルテルが動き出し、アメリカの麻薬取締局(DEA)と裏で協力しながらメデジン・カルテルの解体を企む。
やがてパブロ・エスコバルの仲間たちが次々と「ロス・ペペス」と呼ばれる闇の集団に残虐な方法で暗殺される事件が多発するようになる。政府、DEA、カリ・カルテル、そしてロス・ペペスから命を狙われるようになったパブロ・エスコバルはついに逃げ場を失っていく。
ナルコス・シーズン2の感想
「ナルコス・シーズン1」を見た人なら最後までついつい見てしまう、壮大な麻薬犯罪ドラマシリーズ第二段。相変わらず緊張感があり、リアリティーは十分です。
シーズン2はパブロ・エスコバルが刑務所から脱獄して、コロンビア警察とアメリカの麻薬取締局(DEA)に追い込まれるまでを描いています。
パブロ・エスコバルが牛耳っていたメデジン・カルテルは警察の捜査やライバル組織の裏操作、仲間の裏切りなどによって次々と力を失っていきます。
コロンビアはもちろん世界中で目の敵にされていたパブロ・エスコバルを捕まえるために警察とライバルの麻薬組織が秘密裏で情報交換をして一丸となって彼を追い詰めようとするストーリーはスパイ映画さながらの内容です。
パブロ・エスコバルが極悪人だったことは議論の余地がないけれど、最後の最後まで彼の支援者がいたことを考えると、やはり相当人をひきつける魅力を持った人物であったことが分かります。
地元では神のように崇められ、自分の軍隊まで持ち、一時は裏で国の大部分を支配していた男はしかしいざ追い詰められ、銃弾に倒れたときは「ただの髭もじゃの太った男にすぎなかった」というのはアメリカの麻薬取締局(DEA)捜査官の言葉です。アンタッチャブルとまで言われた男の権力が見事に崩れ去っていく結末がなんとも不思議でした。
実在するコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルを題材にしているだけでなく、劇中に実際の映像や写真を多用していて、ノンフィクションであることが上手く強調されていましたね。
事実を基にした映画やドラマは大抵最後ちょろっと実際の映像や主人公の写真を見せて終わりというのが多い中で、このシリーズはパブロ・エスコバルが起した信じられない事件の数々の実際の映像を取り込んでいます。
特に政府の建物の近くにあるドラッグストアを爆破させて、多くの一般人の命を奪った事件などはテロ行為そのもので、パブロ・エスコバルがどれだけ凶悪であったかを映し出すと同時にどうして彼がドラッグストアを攻撃したかがストーリーを追っていくとよく分かるのがまたこのシリーズのすごいところです。
ただし、ノンストップでハラハラドキドキの展開を演出していた前シーズンよりはやや引っ張りすぎた感はありましたね。特にエピソード9、10あたりは無駄なシーンともいえるダラダラした時間帯が増えています。
それにしても俳優たちの演技は素晴らしいの一言です。特にスペイン語を話すヒスパニック系の俳優たちが大活躍しているし、それぞれがいい味を出しています。特にラ・キカとエル・リモンを演じたこの二人は存在感がありました。
シリーズの最終エピソードではパブロ・エスコバルの隠れ家が発見され、警察が突入し、彼を殺害してストーリーは幕を閉じます。
サプライズといえばパブロ・エスコバルが死亡してからも話は続いていくことを示唆して、このシリーズが終わっていくところでしょうか。もちろんシーズン2の人気にもよるでしょうが、「ナルコス」は麻薬のディーラーを指すことをからも別に主人公はパブロ・エスコバルでなければならない理由がないからです。
皮肉にもパブロ・エスコバルがいた頃とそれ以降では麻薬の取引量は増加し、世界トップの麻薬王がいなくなったことで解決したように思えた状況は実は悪化したそうです。
シーズン3が製作されるとすれば、今度はカリ・カルテルを仕切るボスたちが悪役となっていくでしょう。しかしパブロ・エスコバルほどのカリスマ性があるかといえば疑問で、ただ引っ張るだけのドラマになり下がっていくのが目に見えていますね。このドラマはもうこれで終わりにするべきです。
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コメント
シーズン3,4の製作は決まっているみたいですね。
3は、カリカルテルを追う話になるのかな?
ねこさん
おそらくカリ・カルテルの話になると思われますよ。ネットフリックスではすでにティーザー動画が出てました。
映画男さん、コンバンワ。
ナルコスシーズン1、2を一気に見ました!
不思議と最後まで見ると、もう1度パブロの原点であるシーズン1の最初から見たくなります。
グスタボが最後に出てきたのがちょっと嬉しかったです。
このドラマは本当にキャスティングが素晴らしかったですよねー。
主役のワグナー・モウラが配役決定後にスペイン語をコロンビアの大学で習った(日本人の学生と)ってトークショーで話しててビックリしました。
そんな彼が演じたパブロは時々恐ろしく、憎く、愛おしく、悲しく思える演技で、すっかりパブロという人物に引き込まれてしまいました。
本当にカリスマ性の強い人だったんですね、パブロ・エスコバル。
確かに最後の続編があるような終わり方にも、既に決定してるのにも驚きですが、カリはパブロのような愛すべきキャラではなさそうなので、ありきたりの麻薬王ドラマになりそうですけどねー、どうなんでしょうか?
Tommyさん
コメントありがとうございます。思わず一気に見てしまうシリーズですよね。今後シリーズが続いてもおそらくパブロ・エスコバル以上のキャラは出てこないでしょうね。やることがぶっ飛んでましたからね、彼は。