エイプリルフール(4月1日)に起きた数々のトラブルを面白おかしく描いた群像コメディー。娯楽映画として楽しむ分には問題ないですが、見た後に何も残るものがなく、演出や撮り方がパクリっぽい作品。40点(100点満点)
エイプリルフールズのあらすじ
人に対して恐怖心を抱いてしまう清掃員のあゆみ(戸田恵梨香)は、一晩だけ関係を結んだ外科医の亘(松坂桃李)に対して、身ごもっていると打ち明ける。ところが亘は、エイプリルフールだからとあゆみの言葉に耳を貸さなかった。居ても立ってもいられなくなったあゆみは、亘がいるイタリアンレストランに向かう。一方の亘は、きれいなキャビンアテンダントの麗子(菜々緒)とランチを楽しんでいて……。
シネマトゥディより
エイプリルフールズの感想
TVドラマ「リーガル・ハイ」の石川淳一監督の作品だそうですが、あまりにも三谷幸喜の演出に似ていてびっくりしました。
わざとらしい舞台風の演技、ドタバタの展開、最後のオチなど、三谷幸喜監督だけじゃなく色んなところからアイデアをパクッているのが分かってしまって、とても初めて見た感覚になれませんでした。
10人以上の登場人物が複雑に絡み合い、それぞれが様々な伏線を張りながら物語が進んでいきます。しかし演出やストーリーがよくある法則に沿って作られているので先が読めてしまいます。ラストの宇宙人のオチとかミエミエでしたね。
例えばドタバタコメディーのクライマックスシーンに出産を使うのはよくある手法ですよね。
突然妊婦の破水が始まって、その場で子供を産まなければならないって下りは、どこかで見たこと聞いたことがあるはずです。末期癌の妻の病状を言わずにいる夫とか、よくあるエピソードを使うにしても古くないですか。
全体的にリアリティーを無視して突き進んでいくところはもうちょっと工夫して欲しかったですね。コメディーだからって医者でもない男が先生面して病院で聴診器付けて白衣着てうろうろしてたり、ヤクザの男が実の娘を誘拐して風俗に連れて行ったりする意味が良く分かりません。
褒めるとしたらテンポの良さとストーリーの構成ぐらいでしょうか。あれだけのエピソードを一つにまとめるのはさぞかし大変だったことでしょう。イタリアンレストランの立てこもりのシーンをばっさり切ってくれたらもっと良かったんですが。
それにしても日本人ってやたらと、エイプリルフール、エイプリルフールって騒ぎません?
長年海外で生活してきたけど「エイプリルフール」で盛り上がっている奴に一度も会ったことないですよ。バレンタインデーもそうですが、日本人が変にこじらせて勝手に盛り上がっているふしがあって痛々しいです。
あれってきっと大半の人は「エイプリルフール」っていう言葉の響きが好きで、言いたいだけだと思いますよ。「エイプリルフール」って発音してる自分に酔ってるんです。
オーストラリアに永住している僕の友達が何年か前に「日本に帰って寿司屋を開けることにした」ってフェイスブックで嘘をついたら、地元オーストラリア人には誰一人シャレが通じなくて、みんなが信じてしまって後から大変だったそうです。
これだけは断言できますがエイプリルフールにどんなシャレの利いた嘘をついたところで必ずすべりますよ。たまにアメリカの会社やタレントなんかが何かしかけたりしますが大抵は周囲に迷惑かけるか、へぇそうなんだ、で終わりますよね。
エイプリルフールっていうイベント自体がすべってるんですよ。ハロウィーンやバレンタインはまだパーティーを楽しんだり、経済効果が見込めるけど、エイプリルフールって得する人いますか? 早く廃止するべきですよ、あれ。
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