福岡から東京を目指して自転車やヒッチハイクをしながら旅をする女子高生たちの青春ドラマ。
ハンディカムを使いながらドキュメンタリータッチに描くアイデアはいいものの、後半リアリティーが崩れていき、登場人物がキャピキャピしているだけになるのが残念。33点(100点満点)
私たちのハァハァのあらすじ
福岡県北九州市の田舎町に暮らす女子高生4人組は、ロックバンド「クリープハイプ」が大好き。福岡のライブを観に行き出待ちした際、「東京のライブにも来て」と言われたことから東京に行くと決める。こうして高校生活ラストの夏休みに、自転車で東京を目指す彼女たちの旅がスタートし……。
シネマトゥディより
私たちのハァハァの感想
松居大悟監督による、アメリカではよくあるタイプの素人、あるいはそれに近い俳優たちを集めて撮ったドキュメンタリータッチの青春映画です。
企画としては大変面白い作品で、女子高校生たちもそれなりに自然に演技ができていました。下手な有名人気女優とかよりはよっぽどいい仕事しています。
物語は、福岡の女子高生4人組が好きなバンドのライブを見に行くために東京を目指す、というシンプルなもので、自転車をこぎながら各地の観光名所をめぐる様子は、思春期の冒険心を上手くとらえていて、同年代の人やかつて同じように自転車で長距離を走ったことのある人なら心ときめくはずです。
前半は九州の風景を様々な角度からきれいに映していて、田舎景色をスクリーン越しに眺めるだけでも見ごたえは十分にあります。しかし中盤意向、ハプニングを詰め込みすぎて急速にうるさいだけの映画になっていくのが惜しいですね。
とにかく女子高生たちがキャピキャピしていて、それは現実でもそうなんだけど、ストーリー的に不自然な部分が見え出すと、そのキャピキャピについていけなくなります。
例えば旅費がなくなると現地のキャバクラで迷わず働き出したり、警備員を振り切ってライブ会場の舞台に上がってしまう、といった到底あの田舎娘たちがやらなそうな展開が多々あって、リアリティー重視のドキュメンタリータッチのこの映画において肝心なリアリティーを失うというミスをしています。
途中、移動手段を自転車からヒッチハイクに切り替えずに自転車の旅にこだわるべきでしたね。
こういうロードムービーは大した会話も起承転結も必要なく、のんびり進んでいけばいいんですけど、作り手としてはたくさん展開を入れないと不安になるのでしょう。難しいですもんね、スローな映画で視聴者を釘付けにするほうが。
女子高生が憧れるバンドとしてクリープハイプのメンバーが本人役で登場していましたが、クリープハイプのボーカルってどっちでしたっけ?
この中にはいないですよね?
コメント
クリープハイプで思い出したんですが、「自分のことばかりで情けなくなるよ」のレビューを書いていただけますか?
何年か前に映画館で観ました。
個人的にクリープハイプは好きです。
でも最近本当に似たようなスタイルのバンドが流行ってますね。
Shumylaさん
ブラジル在住なので邦画のリクエストは通常受け付けていないんですが、もし見る機会がありましたら、レビューいたします。