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トレインスポッティングは気持ちいし面白い!ネタバレと感想

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Trainspotting2

スコットランドを舞台にした音楽、映像、ストーリー上手く融合した青春映画。皮肉の利いたユーモア溢れる会話、登場人物の際立ったキャラクター、味のある映像&音楽が大きな快感と興奮を与えてくれること間違いなし。76点(100点満点)

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トレインスポッティングのあらすじ

薬物中毒のマーク(ユアン・マクレガー)と悪友たちは常にハイ状態か、あるいは薬を手に入れるため盗みに精を出しているというていたらく。ある日、マークはこのままではいけないと更生するためにロンドンに行き職に就く。ところが、彼らの仲間が会社に押し掛けたことが原因で、マークはクビになってしまう。

シネマトゥディより

トレインスポッティングの感想

127時間」、「スラムドッグ$ミリオネア」、「スティーブ・ジョブズ」などで有名なダニー・ボイル監督の代表作です。

いわゆる若者のお薬映画です。登場人物が薬でキメて、犯罪に走り、やりたい放題やる映画ですが、それを人生の教訓のように描くのではなく、薬物の恐ろしさに警鐘を呼びかけるわけでもなく、あくまでも青春ドラマとしてハチャメチャに面白く描いたことが多くの人たちに共感された要因でしょう。

実際、彼らのように薬におぼれた青春時代を送っている若者は欧米には掃いて捨てるほどいるので、この映画が若者たちに支持されたのはむしろ自然の流れだったのかもしれません。

この映画が劇場公開されてほどなくして僕はスペインに住み始めたのですが、欧州はあの頃テクノやハウスの全盛期ともいえるような時代で、レフトフィールドやアンダーワールドといったグループの曲が挿入歌として絶妙なタイミングで使われたことも映画を上手く引き立てましたね。

これがもしアメリカ映画だったら、イケメン俳優たちをキャスティングして、これでもかというぐらい格好付けさせて、最後は悲劇的なエンディングを迎えるような展開になっていたでしょう。ちょうど「ランブルフィッシュ」や「ドラッグストア・カウボーイ」のように。

イギリス映画はしかしどこにでもいそうな素朴で、かつ実力のある俳優たちを起用することが多く、この映画も例外ではなかったです。当時無名だったユアン・マクレガー、ロバート・カーライルなんかがかなりはまり役だったし、スパッド役のユエン・ブレムナーもいい味出してましたね。

trainspotting

左からユエン・ブレムナー、ユアン・マクレガー、ロバート・カーライル。

イギリス人はやはり自分たちを皮肉るユーモアを持っているので、それがはまるとかなり笑えます。仲間4人で電車で郊外まで行って、一人が「この自然を満喫しようぜ。この国を誇るべきだよ」と言う。そこでもう一人が「こんな国くそったれだ。スコットランド人なんて最低の国民で、みすぼらしくて、卑屈で、惨めで、みんなにバカにされてるイギリスなんかに植民地にされてるんだぞ」と愚痴る。

あれをほかの国民が言ったらただの侮辱だけど、本人たちが言うから妙に若者の劣等感を映し出していて、またユーモアが利いているから爆笑ものでした。

そういえば日本映画にはああいうシーンって少ないですよね。日本について若者が愚痴ってるシーンって。「日本なんてよお、まったくよお、物価が高くてよお、何も買えねえじゃんか」などというセリフがないのは、若者がそもそもあまり日本について考えないせいなのかもしれませんね。あるいはそういう若者の鬱憤を上手く描ける監督がいないだけなのか。

そういう意味では、この映画はスコットランドの若者たちが直面する退屈、やるせなさ、またその反動で起こる後先を考えない数々の行動や快楽と刺激への探究心が上手く描かれていたなあという感じがします。

冒頭で「人生、キャリア、家族、テレビ、洗濯機、車、CDプレイヤー、健康、住宅ローン、くだらないTV番組を選べ、俺は人生を選ばないことを選んだ」と、主人公がありきたりの人生を否定しているのに対し、ラストでは同じ文脈を持ち出して、平凡な人生を送るのが楽しみだとしているのがポイントですね。主人公の価値観の変化と青春の終わりを告げて幕を閉じるなんてできすぎたエンディングでした。

ストーリーだけでなく映像もよかったです。CGを駆使したというより、アイデアを武器に面白い撮り方をしていて、トイレの便器に吸い込まれていくシーン、赤ん坊が天井をハイハイするシーン、ヘロインを打った後に地面に落ちて吸い込まれていくシーンなどがすごく印象に残っています。

さらにクラブで踊りに行ってからの男女が意気投合する流れも上手く、女子高生のダイアンがさも当たり前のように両親のいる実家に男を連れ込むシーンもすごかったですね。

ことが終わると男はダイアンから「ソファーで寝てよ」って言われたり、両親と朝ごはんを食べることになったり、家族全体が知らない男が泊まるに来ることに慣れているのが妙にリアリティーがありました。

全体的に若者たちが悪いことをする話なので、両親が自分の子供に見せたくなるような映画ではありません。この映画を見て薬に興味を持った若者たちも少なくないんじゃないでしょうか。たまに日本でもトレインスポッティングのTシャツを着ている人を見かけますが、僕が警察ならその場で職務質問しますよ。

それぐらい薬と結びつきの強い映画なので、上品な場ではくれぐれも「好きな映画はトレインスポッティングです」などとは言わないほうがいいでしょう。それより「好きな映画は『ローマの休日』です」とか言いいつつ、「本当はトレインスポッティングだけどね」と心の中で思っておくほうが身のためです。

コメント

  1. きのこ食べすぎ より:

    年一で観るぐらい好きな映画。
    ただ、仕事柄 薬物中毒の人間は腐る程見てきているので、そこら辺の描き方にはリアリティーはないです。
    まあ、薬中をリアルに描いたら鬱映画にしかならんけど。

  2. 高橋 より:

    あの赤ん坊のシーンは
    ホラー映画より怖かったです笑

    人形なんだけども
    首曲がってカメラに向かって落ちてきたらそりゃこわいわ…

    あれはトラウマになった人もいるんじゃないかな笑

    重いテーマなのに笑ってしまうというのは逆に素晴らしい
    映画館で観たかったな…