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ソング・オブ・ラホールは売れない音楽家必見!ネタバレと感想

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パキスタン政府やタリバンに圧力をかけられたことで衰退していった音楽を小さなスタジオで細々と続けるミュージシャンたちを追ったドキュメンタリー映画。音楽で食べていきたくてもいけず、続けるかどうか迷っている人が見るべき作品。65点(100点満点)

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ソング・オブ・ラホールのあらすじ

パキスタンの芸術の都ラホールでは、タリバンによって音楽を禁止されていた。そこで音楽家たちは立ち上がり、ジャンルが全く違うジャズに挑戦。伝統楽器で「Take Five」を演奏し、そのプロモーション映像がインターネットで膨大なアクセス数をたたき出す。それを見た天才トランペット奏者ウイントン・マルサリスに招待された彼らは、ニューヨークのビッグバンドと共演するためにアメリカへ向かう。

シネマトゥディより

ソング・オブ・ラホールの感想

イスラム過激派に娯楽を禁じられた住人たちをつづった「禁じられた歌声」、キューバの世界的には無名だったミュージシャンたちを取り上げ、世界中でセンセーションを巻き起こした「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を彷彿させる映画です。

芸術の都だったパキスタンのラホールではその昔、映画や音楽といった文化活動が盛んで、多くの素晴らしい音楽家がいたそうです。

しかし1977年にムハンマド・ジア=ウル=ハクが独裁政権を樹立すると、極端なイスラム化が始まり、政府は多くの文化活動を禁止していきます。その結果、ラホールで音楽が衰退していき、やがて大勢いた音楽家たちは途方に暮れて楽器をやめていきます。

芸術が評価されていた時代と違って音楽家たちのステータスはすっかり底に落ちます。しかしそんな中でも音楽を細々と続けていった人たちがいました。それがこの映画の登場人物であるミュージシャンたちです。

時代は変わり、以前のように音楽が聴けるようになると人々の興味は伝統音楽から西洋の近代的な音楽に移行します。一方で西洋文化に強く反発するタリバンは人々に音楽をやめるように脅しをかけたり、パキスタンでも自爆テロを起したりと人々を恐怖に陥れようとします。

そんな状況下でも伝統音楽を守ろうとラホールのミュージシャンたちは小さなスタジオを開き、音楽活動を再会します。

あるとき彼らが伝統的なスタイルにジャズを融合させ、代表曲「Take Five」を演奏したところ思わぬ反響を得ます。さらにライブ映像をユーチューブにアップすると、これが瞬く間に世界中から注目を浴び、世界的なトランペット奏者ウイントン・マルサリスの目に留まるのです。

そこからはニューヨークでの講演が実演し、世界中からオファーが来るなど、いわゆるサクセスストーリー仕立てになっています。

パキスタンに興味がない人でも、売れないミュージシャンが長年地道に活動していった結果、やっとのことで努力が報われる彼らの姿を見たら、興奮させられることでしょう。

特に音楽を志している人が見たら、とても夢のある話だと思います。ミュージシャンが食えないのは日本はもちろん世界中どこでも同じなんですね。それでも楽器を弾かずにはいられないという彼らの純粋な生き方には学ぶことも多いです。

日本でも小さな頃から音楽の英才教育を受けたり、音大にまで進んで卒業しても、なんとなく社会に出ていってそのまま音楽とは無縁の生活を送る人がほとんどじゃないでしょうか。

日々のやることに追われ、日常の中に音楽が入り込む隙間がほとんどなく、のんびり音を楽しむこともできない、というのもなんとも悲しい話です。

しかしそれでも続ける人は続けるんですよね。この映画に出てくるラホールのミュージシャンたちがまさにそうで、名声やお金のためじゃなくただ好きだからやる。禁止されようと、反対されようと、楽器を弾かずにはいられないという彼らのあの純粋さといったらないです。みんな素朴な人たちばかりで、見ていて「いいなあ、おい」と思えます。

特にこの映画の最大の見所であるニューヨーク講演のシーンを見ると、みんな気持ち良さそうないい顔をしていてこっちまで幸せな気持ちになってきます。それにしてもミュージシャンって格好いいよなあ。目の前であんな演奏をされたら、僕が女だったらブラジャー外してますよ。

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