総合格闘技を材料にバラバラになった家族、兄弟の関係を描くアクションドラマ。ストーリーがあまりにもできすぎていて、ラストも読めてしまう普通の話です。41点(100点満点)
ウォーリアーのあらすじ
アメリカ合衆国ピッツバーグ。アメリカ海兵隊に所属していたトミーが故郷の町に帰って来た。彼は幼い頃、アルコール依存症だった父パディの暴力から逃れるため、母と共に逃げ出し、後にその母が病死したことで父に激しい憎悪を抱き、その後、海兵隊に入ったのだ。しかし、とある理由で海兵隊から去ったトミーは、大金を得るべく総合格闘技の世界に足を踏み入れようとしていた。
格闘技の技術を学ぶためにトミーは、元ボクサーである父の元を訪れる。そこで彼が目にしたのは、昔の過ちを悔いて酒を断っている父の姿だった。格闘技の技術を磨いていくうちに、いつしか父への憎悪が薄らいでいくトミー。だが、彼が大金を手に入れようとする理由には、海兵隊での辛い過去が関係していた。
一方、フィラデルフィアで高校の物理教師をしているトミーの兄ブレンダンは、かつてトミーと母が逃げ出した後、しばらくは父パディと共に暮らしていたが、その後、自堕落な父の元を去り、今では妻と子供にも恵まれてつましくも幸せな毎日を送っていた。だが、自らの子供が難病に侵されていることが判明し、その治療には高額な医療費が必要だと知ったブレンダンは、妻に内緒で総合格闘技の試合に出場し、そこで夜な夜な金を稼いでいるのだった。
そんな因縁のある兄弟は、ついに総合格闘技のリングの上で大金を賭けて戦うことになる。共に負けられない理由を背負う二人。その勝敗を決するゴングが無情にも鳴り響くのだった。
wikipediaより
読者のミテラさんのリクエストです。ありがとうございました。
ウォーリアーの感想
「ザ・コンサルタント」のギャヴィン・オコナー監督による総合格闘技の決勝戦で兄弟が拳を交える漫画的な話で、いかにもハリウッド映画的な演出でした。
一番無茶苦茶だなあ、と思ったのは総合格闘技のトーナメント大会で優勝するには2日連続で合計4試合勝たないといけないというルールです。
昔のUFCやVT Japan(バーリトゥード・ジャパン)はワンデイトーナメントもやっていましたが、全体のレベルが比べ物にならないぐらい上がった今はそんなことをやったら選手たちの体が持たないですよね。そういった点でもストーリーを盛り上げるために色々と無理をさせている印象が強かったです。
人物背景もお兄ちゃんは家族を養うためにお金に困っていて家を追いやられる寸前で、弟は元軍人で同僚の遺族に賞金を渡すために戦う、といった家族愛と友情のロマンチズム満載になっています。
トーナメントの賞金は500万ドル。つまりは金さえあれば全てのトラブルが解決する、といったすごくアメリカ人的な薄っぺらい発想がストーリーの中に全てぶち込まれている感がありますよね。
お兄ちゃんはお兄ちゃんでそもそも自分の給料で払えないぐらいの大きな家のローンを組んでいるのがいけないんであって、格闘技を続けるうんぬんの話じゃないんですよ。
弟は弟で軍から脱走兵として身柄を追われている身なのになんでTV放映されるほどの大きなトーナメントに出場できるんだよって話ですよね。今のUFCだって罪を犯したり、ちょっとでも契約違反をしたらすぐに試合に出場できなくなりますよ。
ラストはお兄ちゃんが弟に勝って終わりですが、やっぱりアメリカでも兄弟対決はお兄ちゃんが勝つことに意味があるんでしょうかね。
お兄ちゃんが強いというほうが家族の絵的に綺麗なんでしょうか。誰がどう考えても決勝戦のときにコンディションが良かったのは秒殺勝利を連発していた弟のほうでしたけどね。
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