リック・ファムイーワ監督によるオタクで冴えない高校生3人組が繰り広げるドタバタコメディー。笑える部分はいくつかあるものの、ストーリーにまとまりがなく、テーマがはっきりしない黒人映画。33点(100点満点)
DOPE/ドープのあらすじ
自身のバンドと1990年代のヒップホップが大好きなスラム街出身のオタク高校生マルコム(シャメイク・ムーア)は、恋するナキア(ゾーイ・クラヴィッツ)を追ってドラッグディーラー、ドムの誕生日パーティーに参加する。
しかし、ひそかに行われていた取引に警察が突入し会場が騒然とする中、ドムがマルコムのリュックにドラッグを隠したことから、事態は思いも寄らぬ方へと発展していき……。
シネマトゥディより
読者のTommyさんのリクエストです。ありがとうございます。
DOPE/ドープの感想
黒人映画といえば貧困、ヒップホップ、ギャング、ドラッグ、喧嘩といった要素を用いて、若者の反骨精神や怒りや葛藤や差別にフォーカスしがちですが、この映画は違います。
確かにギャングやドラッグといったありきたりな材料は使っているものの、主人公の3人はよくある黒人映画に出てくるタフで勇敢で喧嘩上等といったキャラクターとは一線を画している、イケてないオタクたちです。
しかしながらこの映画の評価できる部分はそのキャラクター設定のユニークさぐらいで、それ以外はほとんどいいところがないです。ストーリーは、高校生3人組がひょんなことから、ギャングの大量のドラッグを手にしたことで様々なトラブルに巻き込まれる、といった世界中の映画でよく使われているネタを用いて、ときおり恋愛の要素などを交えながら、高校生たちが自分探しをしていく、といったような流れになっています。
それにしても「ひょんなことから、ドラッグを手に入れ、命を狙われる」という設定は、はっきり言ってもう飽きましたね。その設定から広がる世界って結局はドラッグの元締め、あるいは警察との追いかけっこにしかならないので、どうしても展開が予想できてしまうのがつまらないですね。
3人組のリーダー、マルコムは手にしたドラッグをネット上のブラックマーケットで販売し、個人情報を追跡できないようにビットコインにしてお金に換えるといった手段を選びます。そこからは悪知恵を働かせ、ハーバード大卒でドラッグの元締めの権力を使うなどして、自分もバーバードに入学する、といった訳のわからないオチが待っています。
結局、主人公のキャラクター設定をステレオタイプから外したところで、落ちこぼれ高校からハーバードに入学=成功、といったありきたりな価値観による学園サクセスストーリーを描いてしまったらステレオタイプに逆戻りして、もともこもないです。それよりなにより命のリスクを犯してマルコムに協力したほかの二人には一体なんの得があったんですかね。
コメント
映画男さん、リクエストに応えて下さいまして有難う御座いました。
確かに、ひょんな事から、、、って設定はもういいですね。
もっと今時のアメリカティーンエイジャーのリアル感そのままで良いのにな〜と私も思いました。
おしゃれな音楽映画にするなら、The映画みたいなストーリーじゃなくても良かったカモですね?
ところで、オリンピック始まりましたね?
ブラジルは盛り上がっているのでしょうか?
色々と問題もあるようですが、開会式の陽気な雰囲気に少し感動しました。
Tommyさん
コメントありがとうございます。確かにリアルではなかったですよね。
オリンピックは、ブラジル人はそれほど関心がないので、いつもあんまり盛り上がりませんよ。見ていない人も多いかと思われます。
これは酷い…相変わらず酷い批評しかできてないな…