長い会話とシチュエーションによって緊張感を上手く演出しているナチス戦争ドラマ。無駄も多いけど、それなりに楽しめます。55点(100点満点)
イングロリアス・バスターズのあらすじ
時は第2次世界大戦。ドイツ軍の支配下にあったフランスで“ユダヤ人ハンター”の異名を取るナチスのハンズ・ランダ大佐はドレイファス一家の殺害を試みる。しかし少女のショシャナだけはなんとかナチスの手から逃げることに成功する。
一方、連合軍はナチスに対抗するためにユダヤ人兵士を中心に“イングロリアス・バスターズ”を結成。ナチス兵を残虐な方法で次々と殺し、悪名を広める。やがてイングロリアス・バスターズはパリの映画館を舞台に、ある極秘の大作戦を企てる。
イングロリアス・バスターズの感想
「ジャンゴ 繋がれざる者」、「パルプ・フィクション」、「ヘイトフル・エイト」、「デス・プルーフ」などでお馴染みの世界で最も実力以上の評価を得ている監督の一人、タランティーノが撮った戦争映画。
上映時間が153分と長く、嫌味なシーンばかりに時間を割いていて、引っ張りすぎと思う箇所が多々ある作品ですが、それでも娯楽仕立ての戦争映画として普通に楽しめます。
最近のタランティーノ作品の中ではかなりマシなほうかもしれません。意外にも暴力シーンは比較的控えめで、心理に迫るものがありました。
あとはじれったい会話のやり取りにどこまで耐えられるかが評価の分かれ目となりそうです。
ブラット・ピットが出演している映画、というふうに宣伝されがちですが、実際はハンズ・ランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツの独壇場でしたね。
彼の語学力もさることながら、嫌味で冷酷無比なナチス兵、というキャラをちゃんと自分のものにしているのがすばらしかったです。
一方のブラット・ピットはコメディーをやると、なぜかいつも顎をしゃくらせますよね。あれ気になるの僕だけですか?
そういえばこの映画は、他のアメリカ映画と違ってちゃんとドイツ人はドイツ語、フランス人はフランス語といった具合に言語をきちんと分けていて感心しました。
まあ、誉めるところといえばそれぐらいですかね。タランティーノの映画っていつも思うんですが、キャーキャー言われているわりには結構「普通」なんですよね
特別感動するわけでもないし、特別笑えるわけでもない。考えてみればまだ映画だって10本も撮ってないくせになぜか世界の巨匠みたいな扱いはどうかな、と。
結局、「パルプ・フィクション」があまりにも良すぎて、どうしてもそれと比べてしまうのがいけないのかもしれませんねぇ。
果たしていつかタランティーノから再び名作が生まれるのか。どっちなんでしょうね。
コメント
私も、ハリウッド映画なのにドイツ人がドイツ語を喋っていたので驚きました(笑)
長すぎるし、あまりにも簡単に人が死ぬので見終わる頃にはぐったりしましたが、クリストフ・ヴァルツの演技は素晴らしかったですね。
shさん
確かにこの映画ではクリストフ・ヴァルツの独壇場でしたね。