芸術の国フランスを代表する映画の中で本当の名作とは一体どれなのか。その答えを出すべくフランス映画をこれから見ようと思っている人のためにおすすめの名作をランキングにして紹介します。
- 31、レオン
- 30、パリ警視庁:未成年保護部隊
- 29、トム・アット・ザ・ファーム
- 28、君と歩く世界
- 27、スイミングプール
- 26、サンドラの週末
- 25、灼熱の魂
- 24、ニキータ
- 23、アメリ
- 22、憎しみ
- 21、ディーパンの闘い
- 20、ベティ・ブルー/愛と激情の日々
- 19、ホーリー・モーターズ
- 18、パリ、ジュテーム
- 17、最強のふたり
- 16、まぼろし
- 15、もうひとりの息子
- 14、ずっとあなたを愛してる
- 13、クスクス粒の秘密
- 12、彼は秘密の女ともだち
- 11、少年と自転車
- 10、オーケストラ!
- 9、17歳
- 8、トムボーイ
- 7、隠された記憶
- 6、アデル、ブルーは熱い色
- 5、ピアニスト
- 4、パリ20区、僕たちのクラス
- 3、預言者/アンプロフェット
- 2、ある過去の行方
- 1、愛人/ラマン
31、レオン
ノーカットの完全版を見ると、リュック・ベッソンがどれだけ変態か分かる映画。純愛の要素と、ロリコンの要素と、アクションの要素をミックスさせた映画で、日本でもかなり評価の高い作品です。
アメリカとフランスの合作で会話も全編英語ということを考えてもかなりハリウッド映画寄りの演出になっているのが特徴です。フランス映画が苦手だという人は、この作品から見始めるといいです。同ブログ採点50点。
30、パリ警視庁:未成年保護部隊
パリ警察の未成年保護部隊で働く警察官たちの生活をリアルに描いたユニークな作品。子供たちへの性的虐待とそれに関わる人々をテーマにしていて、日常ではありえないような異常な会話やエピソードばかりで構成されていて、その中で働く警官たちの苦悩とストレスが見え隠れするのがいいです。
29、トム・アット・ザ・ファーム
カナダとフランスの合作映画。同性愛者の恋人の葬儀に参列するために彼の実家を訪れたことで、閉鎖的な田舎街で次々と災難に見舞われる男の物語。
カナダが生んだ天才映画監督グザヴィエ・ドランによる薄気味悪く、奇妙な雰囲気と展開が待ち受けている変な映画で、20代で世界中の映画賞を総なめにしている天才監督だけあって、何を考えているか全く想像できません。同ブログ採点56点。
28、君と歩く世界
事故で両脚を失った女性と、喧嘩しか取り得のない地下格闘技で生きる男との一風変わった恋愛を描く人間ドラマ。
文化の違いなのか、映画の中だけの話なのか、主人公たちの行動に唖然とさせられる映画で、感動する場面と馬鹿じゃないのと思う場面の連続で釘付けになります。監督はジャック・オーディアール。同ブログ採点57点。
27、スイミングプール
イギリスとフランスの合作映画。気分転換と小説の執筆のためにフランスのプール付きの別荘で時間を過ごすことにした女流作家と、その家に遊びに来た美少女をめぐる官能的で怪しくて、シュールなストーリー。
想像を掻き立てる展開に身体が火照ってくること間違いなし。監督はフランスの実力派フランソワ・オゾン監督。
26、サンドラの週末
うつ病の女が首になったことを不服に思い会社に猛抗議し、やらかしまくる労働者ドラマ。日本人とは全く違ったフランス人の自分勝手さに腹立つこと間違いなし。主人公に全く共感できない内容なのになぜか面白いという不思議な一本。同ブログ採点62点。
25、灼熱の魂
カナダとフランスの合作映画。カナダに住む双子の姉弟が母親の遺言により、まだ見ぬ父親と兄の存在を知らされ、彼らを探しに中東まで旅に出るアイデンティティーの追求を描いた問題作。中東のイスラム文化、テロ、戦争などを絡めながら衝撃のラストへと向かう重苦しくて、心が痛くなる映画です。
24、ニキータ
フランスのスケベ監督リュック・ベッソンが手がけた、美人の暗殺者の悲しくてせつない人生を描いたアクションドラマ。
リュック・ベッソンの出世作にして、数少ない見られる映画の一つです。ちなみにリュック・ベッソンはこの映画のヒロインと結婚し、後に離婚しています。さすがです。
23、アメリ
日本でも大ヒットした、コミュニケーション障害を持つ女、アメリによるファンタジックな恋愛ドラマ。カラフルな映像、かわいい主人公、童話のような展開が女子に受けること間違いなし。CGやエフェクトが効果的に使われていて、男が見てもそこそこ楽しめるはずです。
22、憎しみ
ユダヤ系、アラブ系、アフリカ系の3人組によるトラブル続きの一日をつづった不良映画。暴動での警察の暴力によって友人が意識不明の重態になったことで、社会に対し強い憎しみを抱く若者たちの不満と葛藤を描いた青春ドラマで、ヒップホップ文化やギャング映画が好きな人におすすめ。
ちょっと笑えて、ちょっとオシャレな撮り方をしていて、ラストにオチもちゃんと用意している面白い作品。俳優ヴァンサン・カッセルの出世作でもあります。
21、ディーパンの闘い
スリランカからフランスに偽装家族として移民してきた家族によるサバイバル劇。紛争地帯からフランスに平和を求めてやってきたはいいが、移住先は銃弾が飛び交う危険なスラム街だったというストーリーが個性的すぎて、誰も真似できなそうな展開が見事です。
アクションシーンもすごい迫力です。監督はジャック・オーディアール。同ブログ採点68点。
20、ベティ・ブルー/愛と激情の日々
感情的で、精神に病を負ったベティと恋人のゾルグによる悲劇の恋愛ドラマ。フランスを代表する大人気の純愛映画で、どちらかというと女性向けです。昔の映画ですが今見ても十分に楽しめる作品。同ブログ採点69点。
19、ホーリー・モーターズ
金持ちの男が仕事として、物乞い、誘拐犯、怪人メルドなどに七変化していく、世にも奇妙な物語風のシュールな映画。主人公を演じたドニ・ラヴァンの名演技を楽しむ作品で、彼のキャラが気に入ればのめり込むはずです。
18、パリ、ジュテーム
パリを舞台にしたオムニバス映画。ちょっといい話やオシャレなストーリーを集めた群像劇で、世界中の18人の監督が参加しています。テーマはずばり「愛」。評判があまりにも良かったため、「ニューヨーク、アイラブユー」、「リオ、アイラブユー」とシリーズ化されたほどです。
17、最強のふたり
車椅子の大富豪とスラム街出身のユーモア溢れる男の友情の物語。車椅子の障害者を必要以上に大切に扱うのではなく、障害をネタにしていじったりする、二人のやり取りが素敵です。
あくまでも自然体でいることにこだわる二人の心の交流に心が温まります。同ブログ採点70点。
16、まぼろし
熟年夫婦による愛と喪失の物語。ある日突然ビーチで姿を消した夫のことを思いながら、まぼろしの生活を送っていく悲しい女の気持ちを描いた芸術作品。
ザ・フランス映画と言えそうな、何も起こらずにそのまま終わっていくような話ですが、実は細かいシーンの隅々にたくさんのヒントが隠されている上級者向けの一本。結末や夫の行方について何時間でも語れそうな映画です。監督はやっぱりフランソワ・オゾン監督。
15、もうひとりの息子
病院で赤ん坊がほかの家族の赤ん坊と取り違いになったことを知り、お互いの青年たちが血の繋がった自分の家族と対面し、自分のルーツを探る物語。
「そして父になる」に似ている内容だけれど、ユダヤ人家族とパレスチナ人家族というもう一つ複雑なテーマは加えた民族を越えたアイデンティティーの追求を描く人間ドラマです。同ブログ採点72点。
14、ずっとあなたを愛してる
ある理由で刑務所にいたジュリエットの素顔とトラウマを描いた復活と再生の物語。元犯罪者に対する社会の対応なんかも覗けて面白いです。
悲しく、ネガティブで、前向きなストーリーではないものの、女優の演技がいいからか見ごたえ十分です。
13、クスクス粒の秘密
フランスに住むチュニジア移民の家族がレストランをオープンするまでを描いたドタバタ劇。
次々と起こるハプニングの演出が上手く、ぐいぐい引き込まれていく家族ドラマで、自然な演技はまるで本物の家族のようです。アラブ系家族の異文化を感じさせるやり取りも面白いです。同ブログ採点74点。
12、彼は秘密の女ともだち
フランソア・オゾン監督による女装癖のある男に恋をした女性の物語。登場人物の複雑な心境を絶妙に描いた深い作品です。
ラストでは余韻を残した終わり方をするのがなおいいです。結末を誰かと話し合いたくなる映画です。
11、少年と自転車
児童保護施設にいた少年を引き取ったことから様々なトラブルに見舞われる女性と少年の交流を描いたドラマ。
少年の悪ガキぶりがひどく、見ていてイライラさせられるけれど、その分リアリティー溢れる演技と演出に心を奪われます。女性の母性愛を強く感じさせる素晴らしい作品です。同ブログ採点76点。
10、オーケストラ!
ひょんなことからパリの一流劇場で演奏することになった旧ソ連人の寄せ集め合唱団のドタバタ劇。笑えて、ほのぼのする、見る人を幸せにする映画です。楽器を演奏する人が見たらモチベーションが上がること間違いなしです。同ブログ採点80点。
9、17歳
フランスの女子高生が軽い気持ちで、おじさんたちを相手に売春してしまう、という若者ドラマ。ベッドシーンも、その前後のフリも、全て官能的で、ぴちぴちの女の子が好きなおじさんたちなら興奮しまくりの一本。
ただ色っぽいだけでなく、売春する女の子の深層心理も掘り起こしている見事な作品です。監督はフランソワ・オゾン監督。同ブログ採点80点。
8、トムボーイ
新しい家に引っ越してきた少女ロールが男の子と偽って近所の子供たちと交流する10歳の少女の性同一性障害をシンプルに分かりやすく描いた作品。これほど性同一性障害を上手く説明している映画は珍しく、教育ビデオとしても良さそうです。学校の授業で流すべき映画です。
7、隠された記憶
ある日突然夫婦の下に夫を監視しているテープと脅迫にも似た絵が送られてきたのをきっかけに、夫の幼少期の記憶が蘇ってくる恐怖のフレンチサスペンス。
下手なホラー映画を見るより百倍恐ろしく、ミステリーも難解でついつい答えを誰かに聞きたくなるストーリーがフランス映画らしいです。
監督は「白いリボン」や「愛、アムール」でおなじみのミヒャエル・ハネケ監督。彼いわく「一体、誰の仕業なの?」と聞く人は内容をよく理解できなかった人だそうです。
6、アデル、ブルーは熱い色
二人の女の子によるリアルすぎるベッドシーンが話題になったレズビアン映画。ただの同性愛映画ではなく、性別を越えた愛を描いた普遍的な恋愛物語です。女優の演技が上手すぎて、ついつい感情移入してしまいます。同ブログ採点84点。
5、ピアニスト
ピアノ教師と生徒による歪んだ性愛を描いた不可解で、気持ちの悪い、殿堂入りのSM映画。登場人物たちの行動と考えていることが全く理解不能で、彼らの頭の中を想像するだけでも面白い、超難易度の高い作品。監督はミヒャエル・ハネケ監督。
4、パリ20区、僕たちのクラス
実際の素人学生をキャスティングした、ありえないリアリティーを出している学園ドラマ。異人種、異文化が混ざり合ったフランスで子供たちを教育するのがどれほど大変かが分かる興味深い物語。生徒と先生のやり取りだけを映しただけなのになぜか釘付けにされる名作。同ブログ採点88点。
3、預言者/アンプロフェット
アラブ系の男が知恵と運と処世術で刑務所の生活を生き抜いていくアクションドラマ。ただのアクションに留まらず、ところどころに意味深なシーンが割り込んでくる芸術的要素も兼ね備えた不思議な作品。
全体のバランスが良く、娯楽性が強く、見ていてとにかく面白い映画です。監督はジャック・オーディアール。同ブログ採点88点。
2、ある過去の行方
別れた妻と離婚手続きをするためにイランからフランスを訪れた男の身に起こる家族間のトラブルを描いた人間ドラマ。脚本と演技だけで勝負している、ずば抜けた構成力を誇る名作で、監督は「別離」や「彼女が消えた浜辺」でお馴染みの監督アスガー・ファルハディ。同ブログ採点89点。
1、愛人/ラマン
イギリスとフランスの合作。フランス人少女と中国人青年による人種、年齢、貧富の差を超えた愛の物語。
ベトナムで暮らす外国人という境遇の似た二人が運命的な出会いをし、家族の反対もあり一緒になりたくてもなれない、はがゆい関係を描いています。官能的かつ感動的でもあり、完成度が非常に高いです。同ブログ採点92点。
コメント
この中で観たフランス映画はアメリとラマンぐらいかな。
最近フランス映画を観てないかも!
パリ、ジュテームは観てみたいですね。
mamarinさん
パリ、ジュテームはショームービーを集めたものなのでお手軽に見れていいですよ。
ここのところマイリストが寂しかったのですが、またこれで盛況になりました。
ほんと、なまくらファンにとっては、まず「何を観たらいいの?」でだいたい躓くんですよね。
というわけで、今までは楽チンな吹き替え版重視で、どうしたってハリウッド系(メジャー系?)に偏りがちでした。
ところが、当ブログ(映画男さん)を知ってから映画ライフが一変しました!
映画って暇潰しじゃなく、楽しむもんなんだと今さならながら再認識です。
いまでは、もう水野晴郎の決まり文句連発ですよ。
今回Twitterにアップされた当記事で紹介されている作品も、今ではほぼU-NEXT見放題で見つけることができました。
「いぁ〜本当に映画男っていいもんですね〜」 あれ!?(笑
フランス映画面白いのが多いので、ぜひ時間があったら一本ずつ見てください。感想お待ちしております。
ピアニストのレビューおねがいします!
リクエストありがとうございます。いつか書こうと思っていたところです。もう一度見る機会があったら書きますね。
いきなりごめんなさい。
見てないんですか?
批評し直すほど見ていない、という意味ですよね?
こんな、野暮な疑問質問に、まともに対応する人じゃないかもと…
ならば、ごめんなさい
興味本位の疑問ではありません
見てないとはピアニストのことですか? それならもちろん見ましたよ。ただ、昔に見た映画なので記憶だけで感想を書くのはできないから、もう一度見たらまた書きますっていうことですけど。