おじいちゃんとおばあちゃんが懐かしがって見る映画。成功、転落、再起という単純明快でただボーっと見たいという視聴者には優しいけれども、イメージ通りのコテコテの無声芝居が続くだけで、新しさがひとつもないのがマイナスです。35点(100点満点)
映画アーティストのあらすじ
1927年のハリウッドで、サイレント映画のスターとして君臨していたジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、新作の舞台あいさつで新人 女優ペピー(ベレニス・ベジョ)と出会う。
その後オーディションを経て、ジョージの何げないアドバイスをきっかけにヒロインを務めるほどになったペピー は、トーキー映画のスターへと駆け上がる。一方ジョージは、かたくなにサイレントにこだわっていたが、自身の監督・主演作がヒットせず……。
(シネマトゥディより)
アーティストの感想
「あの日の声を探して」のミシェル・アザナヴィシウス監督によるアカデミー賞受賞作品。いかにも賞を狙って作った感があるのが嫌です。
突発的にあえて古いことをやろうとする人というにはいつも嘘っぽさや胡散臭さがつきまといます。この映画も気まぐれで写真を趣味でやりだした女子大生がカラーではなく白黒で撮ろうとする感性に似ています。
急にアンティーク家具などを買い集め出す社長もそうです。古ければ芸術なのかよって。無声映画でも、白黒でも、なにかそこに個性や斬新さがあればそれが魅力になりそうですが、この映画の場合、演出も、演技も、音楽もずっとただ古いのです。
なんか嫌な予感がして、この映画がオスカーを獲っちゃうような気がします。なぜならアカデミー賞は単純明快は映画を評価しがちだからです。
一般の視聴者がシンプルで分かりやすい映画を好むならまだしも、アカデミー賞の審査員も一般と同じような感覚で映画を鑑賞していそうで怖いです。
おそらく審査員席にはピザとフライドポテトとコカコーラが用意してあるでしょう。審査員の一人が「おれ、コーラのLサイズ注文したのに、なんでSサイズを持ってくるの?」とかクレームを付けているところが想像できます。
それにしてもこの映画が現代の映画賞にノミネートするのは完全に反則です。現代の冬季オリンピックに木のスキー板で出るようなもので、あいつ木で頑張って滑ったんだからなにか賞あげようよ、というノリで審査員から賞と同情の両方をもらうつもりなのでしょう。
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