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ブリッジ・オブ・スパイは普通すぎる!感想とネタバレ

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スピルバーグが得意とする、当たり障りのない友情&人間ドラマ。出てくる人は基本みんないい人で、アメリカ人もロシア人もドイツ人も誰が見ても喜びそうな中立の立場を保っただけのどっちつかず映画。42点(100点満点)

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ブリッジ・オブ・スパイのあらすじ

アメリカとソ連の冷戦のさなか、保険関連の敏腕弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)は、ソ連のスパイであるアベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受ける。その後ドノヴァンの弁護により、アベルは死刑を免れ懲役刑となった。

5年後、アメリカがソ連に送り込んだ偵察機が撃墜され、乗組員が捕獲される。ジェームズは、CIAから自分が弁護したアベルとアメリカ人乗組員のパワーズ(オースティン・ストウェル)の交換という任務を任され……。

シネマトゥディより

ブリッジ・オブ・スパイの感想

レディ・プレイヤー1」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」、「リンカーン」、「戦火の馬」などで知られるスピルバーグ監督によるアカデミー賞ノミネート作品です。

さすがスピルバーグですねえ。スパイの人質交換という本来なら心臓がバクバクしてもおかしくないような物語が彼にかかれば、まるでETが宇宙に帰るようなノリの友情ドラマになってしまいます。

圧倒的に緊張感が欠けています。主要登場人物がどんな状況においても誰も殺されないことが優しい演出から分かってしまうので、あくびをしながらでも鑑賞できます。

スパイ同士ならもっと騙し合いでもしてくれたほうがこっちは嬉しいんですよ。ハニーとラップとか爆弾とか色々な罠を仕掛けてくれないのと興奮できないじゃないですか。

こんなことを言うと、必ず「原作馬鹿」と「事実馬鹿」たちが「ハニートラップなんて実際になかったのだから、ストーリーに入れられるわけねえだろ!」とか怒り出しそうで怖いです。

劇中ではロシアのスパイ、アベルに対してアメリカ側は批判はしつつも人道的に接したように描かれていますが、本当に拷問とかはなかったんでしょうか。

敵国のスパイですよ、スパイ。それも冷戦真っ只中の。その辺の情報は明らかになっていないのか、それともただ映画で描かれなかっただけなのか分かりませんが、ソ連側はしっかりアメリカのCIAであるパワーズを拷問するシーンがありますね。ただ、あの拷問シーンにしても水をかける程度で甘っちょろいですけど。

スパイ交換をテーマにするなら、それが実現するまでの交渉がなによりの鍵になります。僕としてはもうちょっと巧みな交渉術が見たかったんです。

ドノヴァン弁護がなんとしても二人の捕虜を連れ戻そうとする意気込みはよかったんですが、話し合いの場であれだけ強気に出られた根拠と勝算はなんだったのかが伝わってきませんでした。

それにしてもアベルは核情報を探っていたほどのスパイだったのによく死刑にならずに済みましたね。あの悪運の強さといったらないです。一方で世界各国ではつまらない罪で捕まっても死刑になったりする人もいます。

最近、中国でも日本人が相次いでスパイ容疑で逮捕されていますが、果たして日本政府は彼らを救出するためのカードは持っているんでしょうか。

報復として中国の役人とかを日本で逮捕して人質交換するという考えはないのかな。日本政府のことだから大使館員を数人刑務所に面会に送って終わり、というような気がして恐ろしいです。どうせなら日本のドノヴァン弁護士だとかいって、橋下徹でも交渉に連れて行ったらどうですか。

コメント

  1. sh より:

    映画男さま

    こんにちは。
    全く同感です。もっと緊迫感あふれるドラマを期待していたので残念でした。
    実際は偵察機が撃墜されてから捕虜交換が成立するまで1年9ヶ月もかかったそうですね。それなのに映画の中では、せいぜい一週間程度の出来事にしか感じられず、もっと交渉の場面をじっくり丁寧に見せて欲しかったと思いました。どうもドノヴァン弁護士のはったりが、たまたま上手くいったような印象を受けてしまいました。

    ところで、このところアカデミー賞ノミネート作品を立て続けに批評して下さっていて嬉しいです。ありがとうございます!友人達と賭けをしているもので(といっても賭け金700円ぐらいのショボいものですが)参考にさせて頂いています。

    マッドマックスが作品賞でスタローンが助演男優賞とったら面白いなぁ、とか思うんですけれどもね。

    • 映画男 より:

      shさん

      コメントありがとうございます。確かに弁護士のはったりが通じたといった印象はありましたね。アカデミー賞はスタローンは可能性低そうですが、マッドマックスはありえるかもしれませんね。

  2. アオヤンマ より:

    すごく疲れるんだろうなと思ったら、そういう描き方でなく、わざとあまり悲壮さを出さず、弁護士が義を通す話を映画として描いたのだなあと、感心し、面白かったと思いました。