一つの部屋の中でセリフを中心に進んでいく推理ミステリー劇。脚本はよくできているものの、肝心な演出がダメで、わざとらしすぎる学芸会演技が見てられないです。29点(100点満点)
キサラギのあらすじ
売れないグラビアアイドル如月ミキが自殺して1年、彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)ら5人は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め……。
シネマトゥディより
キサラギの感想
この映画を気に入ったという人がいたら「12人の優しい日本人」を見たらいいでしょう。密室で、セリフだけで、犯人探しをするという展開が全く同じだから。同じ監督の作品でもないのに他の作品を連想させてしまう映画なんてその時点で失格ですね。
ストーリーは、グラビアアイドル如月ミキの熱狂的なファンが一周忌を祝うためにネットを通じて集まり、話しているうちにいつの間にか彼女は自殺したのではなく、殺されたのじゃないかといって犯人探しを始めるというものです。
いわゆる「犯人はこの中にいる」の典型的なパターンで、ファンの中に実は如月ミキの家族や関係者がいるといったような先が読めてしまう内容となっています。
一番の突っ込みどころはそんなところで犯人探ししてないで、なんで警察の取り調べで全部話さないんだよ、という点に尽きます。警察が信用できないという人も中にいるんですが、じゃあ今さっき会ったファンは信用できるのかよって話になってきて、ちゃんちゃらおかしかったです。
セリフの大部分が後々ストーリーにつながってくる伏線になっていて、その綿密さや巧妙さは評価できます。それに対し、せっかくの練りに練られたセリフを、演者たちにイタリア人並みに大げさに話させているところが痛いです。
日本映画って「こんな喋り方する奴どこにいるの?」と思わせる演出ばかりですよね。自然じゃないんですよ。あれが全員イタリア人とかならまだ笑えるんですけどね。
終始コミカルで笑わせようとしていましたが、ところどころチャンスを逃していますよね。一番惜しいのは最後まで如月ミキの顔を隠しておきながら、ラストに普通にアイドルっぽい女の子を登場させていたところです。
あれは絶対に不細工でデブな女優を起用するべきでした。それで初めて一周忌に5人しかファンが集まらないのが納得いくんですよ。
ファンといっても5人中半分以上が関係者ということを考えると、よっぽど人気のない女じゃないと辻褄が合わないんですよ。こいつらこんな女のためにわざわざ集まってたのかよ、というオチがなかったのがなにより残念でした。
コメント
こんにちわ(^^)私は脚本の古沢良太のファンなのですが彼はここ数年で大ブレイクしたイメージです。リーガルハイやデートなどのテレビドラマで面白い脚本書いてます。
おそらく邦画の演技が大げさなのは大衆受けを狙うテレビドラマの影響が大きいと推測します。役者も舞台の影響を受けている役者が人気俳優にはおおいですし。
最近私はスクリーンでの大袈裟な演技を純粋に楽しめるようになってきました。たくさんの邦画を見るうちにま、いいかと思うようになってきたのです。大袈裟な演技、演出、あざとい間の取り方、ま、いいんじゃね?みたいな。
映画男さんもそのうち ま、いっか と思う時が来ると思います。大量の邦画に埋もれる毎日を過ごせばの話ですが。
Aさん
コメントありがとうございます。大げさな演技もスタイルの一つなのかもしれませんね。
この映画はひどいですね。リーガルハイ、コンフィデンスマンの脚本家と聞いて期待しましたが…
ミステリーとしてもコメディとしても中途半端と言った印象です。伏線回収は見事でした。
中途半端でしたねえ。