ご存知クリロナことクリスティアーノ・ロナウドを取材した映画で、彼のファンだけがなんとか楽しめる、当たり障りのない表面的なサクセスストーリー。
新しい映像といえば少年時代の映像と自宅の映像だけで、あとは見たことのあるようなシーンの連続で構成されている作品です。40点(100点満点)
映画RONALDO/ロナウドのあらすじ
レアル・マドリード所属でポルトガル代表のサッカー選手クリスティアーノ・ロナウドの素顔を追ったドキュメンタリー。ブラジルW杯、2014年FIFAバロンドール受賞式などの裏側や自宅での過ごし方や息子とのプライベートなどにカメラが密着した。
映画RONALDO/ロナウドの感想
アンソニー・ウォンケ監督による、よくある普通のスポーツ選手のドキュメンタリーです。
スポーツ選手のドキュメンタリーで、衝撃的な内容だったためしはありませんが、この映画も同じでした。それでもこれだけ人気があるスター選手だから、きっと一定数の人は見るでしょう。
クリスティアーノ・ロナウドの息子の母親の名前を明かしたりしていればまだ話題にはなったでしょうが、そういった暴露的な内容はありませんでした。
今後もずっと沈黙を貫くそうです。僕は新聞記事で読んでいたので知っていたのですが、人によってはクリスティアーノ・ロナウドがもともとは望まれない子供だったことを知らない人もいるんじゃないでしょうか。
「望まれない子供」とはつまり母親のお腹の中に彼がいたとき、母親は彼を中絶しようとしていたということです。そのことについて映画の中で少し触れています。
また、父親はアル中で50代にして亡くなり、兄も同じアル中に苦しんでいたようで、クリスティアーノ・ロナウドは家族のことで大分苦労したようです。
兄はクリスティアーノ・ロナウドの博物館のオーナーをしたり、裏方でサポートしているようですが、「真面目に練習してれば自分も必ず一流のサッカー選手になっていた」などと弟を羨んだようなことを言うのがちょっと面白かったです。
もうちょっと掘り下げたら「本当はあいつなんかより俺のほうが上手いんだ。弟がバロンドールに2回輝いたんなら、俺だったら4回はなってた」とか調子に乗りそうだったのに、なんでもっとインタビューしなかったんでしょうか。むしろ兄を主役にしても良かったかもしれません。
クリスティアーノ・ロナウドと息子のクリスティアーノ君はマドリードの自宅で一緒に暮らしているそうです。あるいは暮らしているという態で映っていました。
どこまで彼が子育てをしているのかは果たして謎でした。あの下りは、息子に対する愛情深い父親をアピールしている、キャンペーン映像と思われてもおかしくないような映像の数々で、メイドや掃除婦などが一切登場してこないのがなんとも疑わしいです。
どうせやるならエプロン姿で、クリスティアーノ・ロナウド自身がチーズケーキとかを作ったりしたら、もっと嘘っぽくてよかったと思います。
もちろん映画なのでやらせや演出はところどころにあるでしょう。正直そんなことはどうでもいいです。ただひとつ、あれだけ恵まれていながらどこか孤独を感じさせるシーンがいくつかあったのには好感を持てました。
彼自身「自分は孤立した人間で、一人にならないとリフレッシュできない」といったようなことを言っていて、どこかオードリーヘップバーンを思わせるような寂しさがありましたね。
もしかすると、あの寂しさはポルトガル人特有の雰囲気なのかもしれません。クリスティアーノ・ロナウドに演歌を歌わせたらきっといい味出すと思いますよ。
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